デットレフの「この人に聞け!」:ハイコ・ウルフ氏

2019年10月8日 - インダストリー4.0

PSIメタルズ社前CEOデットレフシュミッツから、今回の新サービスプラットフォームを成功裏にローンチさせたハイコ・ウルフ氏へ特別インタビューを敢行!©PSIMetals

1981年にPSIを開始して以来、我々を取り巻くビジネス環境は劇的に変化しています。現在のPSIメタルズ社は当時の諸先輩の方々により形成されてきた訳です。今日はそんなお話をいくつかさせてください。そして今日インタビューするのは現在PSIメタルズ社において、次世代型の技術アーキテクチャを担うフューチャーラボ責任者、ハイコ・ウルフ氏です。ハイコ氏は、私たちの北米オフィスの設立を支えてくれた立役者です。そんな彼も今では2人の子供の父親であり、時間を見つけるのが大変です。

ハイコさん、「フューチャーラボ」はPSIメタルズ社で最もエキサイティングなトピックです。私があなたを正しく理解していれば、あなたはPSIメタルズ社の顧客の将来、ひいては我々の世代の年金制度を保証してくださる、という理解で合ってますか?

はい、私は常に弊社のミッションをワクワクしながら取り組んでいます。ただ、2番目については存じませんでした(笑)

それはハイコさん、あなたのご想像にお任せいたします。では本題に入りましょう!あなたはドイツ地方都市の小さな村でお生まれになったと聞いてますが。

我々の「管材スペシャリスト」はきっと気に入ると思います。なぜなら私はドイツのテューリンゲン州の小さな場所で生まれ、名前に「パイプ」(ドイツ語:「Rohr」)という単語が含まれる約1000人の人々がいます。(※チューリンゲン州はドイツ中部にある州です。丘陵地帯や中世の村がある広大な森林で知られています。)

そして、どのようにして「パイプ」のような片田舎から抜け出したんですか?

わたしは少年の頃から自然科学が大好きでした。私は最初のコンピューターをとても誇りに思いました。 そして情報工学を勉強しました。ゲッティンゲンのドイツ航空宇宙センター(DLR)でのデュアルスタディプログラムは、私の研究に資金を提供するのに役立ちました。学士論文では、大量のデータを扱うことを学びました。誰もが「ビッグデータ」という流行語を聞くずっと前に、私はエンジンの流量特性試験の結果を提示し、分析していました。(※デュアルスタディプログラムは、学術研究と企業での経験および職業訓練を組み合わせたものです。 デュアルスタディプログラムは、実践的な方向性があるため、ドイツで非常に人気があります。)

またニュージーランドでの留学についてお聞かせください

私は非常に小さな片田舎で育ったので、常々海外に出て見識を広めたいと思っていました。オタゴ大学で修士号を取得しました。また当時、ニュージーランドを選んだのは、素晴らしい景色を楽しむという理由の他に、比較的物価も安かったので、経済的な理由もあったんです。

ニュージーランドでのハイコ氏©PSIMetals

そしてニュージーランドで素敵な出会いをされたとか?


はい、図星ですね。そこである女性に出会い、恋に落ちたのが今の奥さんということになります。


そして、若いニュージーランド人はベルリンでの生活を始めたかった、という訳ですね?


当時、ニュージーランドに住み慣れた彼女に、ベルリンに来るように説得するために、私は食扶ちを見つける必要がありました。私たち二人は、大都市での生活に憧れていたんです。そのため、PSIメタルズ社が提供してくれたインターンシップはぴったりで、応募者のニーズに叶ったものでした。

当時は鉄鋼業界についてはあまり知りませんでしたが、自分の手掛けたソフトウェアが実際の生産工場に影響を与えるという考えは実に魅力的でした。

アメリカへの移住

PSI社での最初の経験はどのようなものだったのでしょうか?

私の最初のプロジェクトは、ドイツ国外のお客様向けのロジスティックソリューション導入プロジェクトでした。プロジェクトリーダーは、チームの意欲を高め、主導する方法を知っていました。彼はすぐに私がやりがいを感じる仕事をしてくれ、「加熱炉前面の装入順序を最適化」という業務に取り掛かりました。

それから、育児休暇を取得されたんですね?

私の妻は子供向けの本を書き、最初から子供たちを一緒に育てることに同意していました。自宅からお客様のメンテナンスをすることで、プロジェクトチームに任せることができました。おむつ交換と鉄鋼工場の最適化を頭の中ですぐさま切り替えるのは...面白かったです!今日、ジョシは9歳で、私は息子のことをとても誇りに思っています。彼は弟のノアを本当に大事にしてくれています。

その後、仕事に戻ったの?

再調整が必要でしたが、PSI社は柔軟な勤務時間で私をサポートしてくれました。私の次のプロジェクトは、ロシア国内のお客様に対してローカルサポートプロバイダーへサービスを委託する、というものでした。それは驚くほどうまくいきました。当時にしては珍しいアジャイルアプローチを選択し、14日ごとに新しいシステムを作成しました。それは大成功でした!

それからあなたは家族と一緒にアメリカに移住したんですね?

そのとおり。私たちはできれば英語圏の国に住みたいと思っていたんです。PSIはそこで巨大なプロジェクトにアサインしてくれたんですが、それを完遂するのにはもう少し経験を積む必要がありました。彼らをサポートできてとても嬉しかったです。

プロジェクトは山あり谷ありでしたね?

当時PSI社はAIS社(鉄鋼向けのAPS専業プロバイダー)を吸収合併したばかりでした。AIS社はリンツ、ブリュッセル、レオーベンにオフィスを構えていました。私たちのプロジェクトは、PSIおよびAISソフトウェアに基づく新しいリリースを使用した最初の大きなプロジェクトでした。

新しいユーザーインターフェースと改善されたプランニングツールは、当社にとって大きく成功した一歩となりました。

はい、会社にとっては素晴らしいことでしたが、私たちのチームは多くの労苦も同時にありました。でも幸いなことに、多くのお客様からたくさんのサポートをいただきました。今日、私たちは米国の同僚から多くのことを学ぶことができ、アメリカのオフィスの立ち上げに参加できたことを誇りに思います。

また、製品の変更がプロジェクトに与える影響を直接体験しました。

だからベルリンに戻ったとき、製品開発部門に入ることができてとても嬉しかったんです。

親会社であるPSISoftware AGは、PSI子会社のアプリケーションの基本機能を備えたITプラットフォームを構築しました。ユーザーインターフェイス、サブシステムの統合などの基盤系は、すべて一元的にこのPSI Software社にて開発、およびディストリビューションされます。これは、私たちPSIメタルズ社が金属産業向けのソリューションプロバイダとして、素晴らしい1,900人のPSIグループ企業による開発から恩恵を受けています。

PSI社の経営幹部はこのトピック推しですね?

それは正しいことです。 PSIグループ企業内の各ユニットは明らかに、与えられた市場に対して最適なソリューションを構築するため、このフレームワークを最大限活用し、顧客の要件を実現することだけにリソースを集中すれば良いからです。

PSIメタルズ社がこの難しいチャレンジを精力的に推進してきたことを大変誇りに思います。今日、当社の製品と新しいリリースは、PSI社の共通基盤プラットフォームなしでは想像を絶するものになったでしょう。

PSImetalsフューチャーラボ(FutureLab)の設立

そして「フューチャーラボ」にたどり着くまでのいきさつを教えてください

長年にわたり、PSIメタルズ社では、製品を最新の状態にアップデートし、イノベーションを持続的に導入するプロセス構築に取り組んできました。現在、そのミッションためだけの専業のグループとしてのフューチャーラボがあります。フューチャーラボのチームでは、2年~5年の時間枠でも、変更と拡張がお客様にとって意味があるかを判断します。次に、次のリリースで使用されるパイロットまたはアプリケーションをすぐに構築します。

現在または5年後に、どのような技術がお客様にメリットがあるのかを判断するのですか?

私たちは各分野で経験豊富なコンサルタントの参画させています。私たちが今日直面している課題に非常に精通しています。先見の明のあるアイデアを見つけるために、同僚やお客様とのワークショップを実施します。

カナダでは40を超えるお客様との共同ワークショップを実施しました。これらワークショップでは、現在評価およびプロトタイピングプロジェクトの多くがこのようなワークショップを通して生まれています。やがて、そのうちのいくつかは、お客様の生産管理を大幅に改善するソリューションに結実しました。

2020年のリリースで大ヒットするネタは?

今の時点ではまだお話しすることはできません。開発ロードマップには多くのエキサイティングな開発がありますが、私どもは常々、お客様に最大​​の価値を提供する、という命題のもとに製品開発や研究を行っています。

PSIメタルズ社の強みは何ですか?また課題は?

弊社の最大の強み、それは常にお客様とのコミュニケーションを大切にしていることです。組織も開かれており、経営幹部と新人でも隔てなく話せることでしょうか。お互いの関心事に対して、オープンで明確に議論することが好まれます。結果にいつも満足しているとは限りませんが、自分の立ち位置は明確にわかります。今、私はこのテーマに関する本を読んでいます:率直なオープンコミュニケーションの可能性を説明する「RadicalCandor(徹底した率直さ)」

PSI社で何かをプロモーションするための最良の方法は、その責務を全うするということです。そのような姿勢で取り組んでいれば、物事は楽しくなりますし、自然とやる気が湧いてくるものです。イノベーションの根底にはそのような土台があります。PSIがずっとそのような企業であり続けて欲しいと願います。

ハイコさん、本日は大変興味深いお話をありがとうございました。きっと強靭なメンタルを持つご子息にもよろしくお伝えください!

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PSIメタルズ社前CEO デットレフ・シュミッツ(Detlef Schmitz)

電気工学の大学院エンジニアは、PSI社のさまざまな管理職で30年近く歴任しています。現在、彼はPSIメタルズ社の営業部門で販路拡大をサポートしています。 デットレフ氏は、お客様や同僚へのインタビューや、デジタル化とインダストリー4.0のトピックに関する記事の執筆に精力的に取り組んでいます。余暇には、北海で静かにセーリングを楽しんでいます。

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